【復興支援委員会】2012年第5回活動報告

1日目:5月14日(月)
 夜行バスを南仙台で下車し、東北本線に乗ると二駅で岩沼です。常駐スタッフの小寺義兄が駅まで迎えに来てくれました。道中の田んぼには苗が植わっています。震災以来1年ぶりに復活した光景に感動しました。
 センターに着くといつものメンバーが4人、そして今回ハワイから参加されたアロンさんとジョイさん夫妻が泊まっていて、朝着いたわたしたち2人を加えて8名で朝食です。ハワイからのお二人はなんと1週間前に結婚されたばかり、新婚旅行でハワイでなく、ハワイから新婚旅行で復興ボランティアに来られました。ご主人のアロンさんは日系3世、日本語が少しできます。奥さんは4世です。
 朝食後は礼拝です。説教者は平島先生。今回はボランティア参加者だけです。地域の方々も参加してくださるとうれしいのですが、午前中だとふつうの人は参加しにくいかもしれません。礼拝の後、午前はEM散布に出かけます。

 トラック2台に500Lタンクx2、200Lタンクx1、動憤3台です。お天気も良く、行く途中に一面黄色の一角が見えました。菜の花が満開です。津波にあった畑に去年の秋、MさんたちがEMぼかしを播いて種を蒔きました。菜種油を採るそうです。菜の花畑を通りすぎ、今日EMを散布するのはDさんの畑とIさんの畑です。
 Iさんの畑はすでに半分野菜が植わっています。植わっているところは1000倍で散布します。EMの強酸性(原液はpH3.5)で、葉っぱが焼けてしまわないためです。強酸といってもEMの場合散布して1週間ほどで土中の酸性はなくなります。EMを定期的に散布する場合、1週間から10日ほど間をあけるのはこの理由です。
 玉田さんがIさんと話しています。老人ホームに勤める若い女性が非番であったのに地震の後、海に近い職場を心配して出かけ津波に巻き込まれて亡くなったという話を聞いていました。それがIさんの息子さんの奥さんでした。今回、初めてMSR+に参加してくださった玉田さんは葛飾区在住ですが、ご出身は岩沼市のとなり名取市閖上です。今回の津波でご両親とお兄さんを亡くされています。
 午前中の作業を終えて帰ろうとしたとき、思わぬハプニングがありました。トラックのタイヤが空回りし動けなくなってしまったのです。このとき活躍したのがアロンさんジョイさんの新婚夫婦です。最後は奥さんの運転で脱出しました。
 午後からはOさんの畑にEMを散布します。トラクターをかけると、土の中からまたがれきが出てきます。それをひろいながらEM(100倍)を撒いていきます。この場所はMSR+の支援で市民農園になる予定です。川上さんとOさんは計画を話し合っています。区画は5mx5m、農業機械も通れるように道幅は1.8mにします。ケヤキの木でもあって木陰で休めるといいなあとOさん。さっそく川上さんがスケッチに加えます。

 ここでも玉田さんとOさんの奥さんが話しています。同郷で、身近な人を失った者同士、共感するものがあるのでしょう。玉田さんの参加によって、わたしたちの活動が岩沼の人たちに、より近づいた気がしました。
 夕方、証一先生が到着しました。夕食はほうれん草たっぷりグラタンでした。前回、食品中の放射性測定法の講習を受けたときに使用した大量のほうれん草でしたが、ホワイトソースに鶏肉が入りチーズもかかってまずまず好評でした。もちろん放射能は検出されていません。

2日目:5月15日(火)
 2日目は午後から早股でEM学習会です。学習会に来られる方に配布するため、2種類のぼかしと活性液を準備します。あいにくの雨、ぼかしは雨にあたると傷みやすいので、濡れないように気をつけます。晴れていれば楽な作業も雨が降ると面倒です。岡先生、証一先生、平島先生はEMの散布に、義兄はブルーシートなど学習会に必要なものを買いに行きます。ジョイさんアロンさんはEM活性液を5Lずつ小分けに、玉田さん、川上さん、わたしで玉子ぼかしを小分けにします。前に作ったⅡ型ぼかしは、Tさんのハウスに保管されています。
 若いTさんは農家を継いだばかり。化学肥料や農薬に頼らない農業をやりたいと、一生懸命足利さんから勉強しています。Tさんが通った大学は仙台にあるミッションスクールで、玉田さんも実は同じ大学の卒業生、つまり先輩後輩になるわけです。ここのところあまり体調が良くないTさんですが、聞くと去年2回も追突事故に遭っていて腰の痛みがあるのだそうです。腰痛を抱えていては農作業も大変です。いっしょにお祈りをしました。
 Tさんのところへ行く途中、道で下野郷下の町会長さんに会いました。これから病院に行かれるとのこと。いつもお世話になっているKさん、実は緑内障で目の状態が良くないのだそうです。野菜の苗を植える指導をお願いする予定でしたが、無理はお願いできません。農家はただでさえこの時期忙しいのです。
 お昼は、早股のOさん宅でごちそうになることに。気仙沼から足利さんも到着、楽しい昼食になりました。
 午後は早股で3回目のEM学習会、今回はEMぼかし(Ⅱ型)を作るワークショップです。場所は福祉作業所「しおかぜ」の農場の一角にある倉庫です。雨の中、25人くらいでしょうか多くの方々が集まってくださいました。昨日EMを撒いたIさんも来ています。なかなか名前を覚えられませんが、毎月お会いする面々に、初めての方もおられます。「しおかぜ」に通う障害をもった青年たちも参加、わたしたちボランティアのメンバーも入れると40人以上でしょうか、3箇所に分かれてⅡ型ぼかしを作りました。女性ばかりのチームが一番楽しそうでした。
(峯野慈朗)