岩沼からの手紙 2014年8月(2)

五十嵐くんと共に井戸を掘った
五十嵐くんと共に井戸を掘った

先日、夏休みということで五十嵐くんが8月下旬に岡崎家に遊びに来た。彼は、前年度、福祉施設「しおかぜ」に有償ボランティアという形で関わり、MSR+センターに住みつつ一年近く岩沼で過ごした。「しおかぜ」は障害を持つ者たちの支援施設として地域に根差した活動を目指して立ち上がった社会福祉法人だ。そこに関わるきかっけとなったのは、休学しているならボランティアに行くように言われて訪れた数日の間に、休学期間中被災地に関わってみたらという提案だった。「朝どり」の責任者である岡崎さんもその理事員として携わっている。そういう関係もあって「しおかぜ」に話を持って行き易く、若干本人の背中を押すようにトントン拍子で話が進められた結果とも言える。その滞在期間で築いた関係は良好で、「しおかぜ」の方からは、卒業後にこちらにおいでとも言われていた。勿論。「朝どり」でも盛大な歓迎を受け、昨年度に当たり前のように見られた光景がそこにはあった。

 

アーロンさんとジョイさんと畑でEM散布を行った
アーロンさんとジョイさんと畑でEM散布を行った

また、9月の下旬にアーロンさんとジョイさんというハワイに住まう夫妻が遊びに来る。彼等は「朝どり」の再建に援助してくれたホープ・インターナショナルという組織から紹介され、岩沼にボランティアとして、同時に新婚旅行の一部として訪れた。岡崎家の方々はそのような想いと行いに感動し、自ら近辺での観光を案内したり、食事を振舞ったりしてくださった。今回も日本に来るきっかけがあったからこちらに足を運ぶようで、その期間内で何か手伝いたいと申し出ている。

 

こういう方々の被災地との関係を想うと、これがボランティアとしての理想に近い関係なのだと感じた。五十嵐くんは震災三年目に、アーロンさんとジョイさんは震災二年目にボランティアに訪れ、震災四年目に遊びに来てくれている。一過性の関係でない事がどれだけ素晴らしいことか。そのように想い続けてくれる人を知るたびに、MSR+の活動が始まる際に、最低でも5年は続けなさいと言われたというその言葉が未だ心に残る。物資という有形のものではなく、想いという無形のものを関わる人々に届けるには、それ程の時が必要となるのだろう。今もなお、届けたというにはまだまだ足りないと感じているのだから、場会によっては5年でも短いかもしれない。失われた以上のものを届けるのであればなおさら。

人を自分のように愛する」、これは言葉に表すは易く、実行に移すは難い。彼等が損得勘定や人の常識を超えた神の愛を知り、彼等の内に平安が与えられるように。

 

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